「2歳で実母と、9歳で実父と生き別れ、伯父夫妻の家に居候し、20歳を迎えたときに伯父夫妻の養子になりました。『父の妻』としてプライドが高かった母。血の繋がらない私は、嫉妬を買わぬよう苦労しました。そんな中、生前、父は私への『遺産』があると伝えていました。そして、父の死後、それを母に伝えると...」
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■父が亡くなる前後も涙を見せなかった母だが...
父が亡くなった後、財産を整理するために、印鑑登録証等の書類を用意するように言われました。
母は、自宅の家屋を長男の名義にし、自宅の土地を自分の名義にしたいと言いました。
周囲の人々は、母名義にしておくと、母が亡くなったときに、また相続の手続きが発生するから面倒なので、併せて長男の名義にした方が楽だと助言してくれたようですが、母は納得いかない様子。
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土地だけでも自分の名義になっていなければ、息子夫婦に追い出されると思ったようです。
誰もそんなことをするつもりはないので、土地を欲しがる母に家族は皆困惑していました。
その日、相続関係の話題はそれしか出ませんでした。
父が最期に言ってくれた「こっそり貯めていたお金」というのが実際に存在するのか、ただ私を支援したいという気持ちでそう言ってくれただけなのかわからないのですが、もしも本当にそれがあるとしたら、母や兄達のためにもなるので、母にその話をしてみることにしました。
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「お父さんが、こっそり貯めていたお金が○円くらいあるって言ってたけど」と言うと、母は「誰が? 誰がそんなこと言うの? あるわけないじゃない」と言って笑いました。
そこで父が亡くなる前に、私が受け取る割合と金額を具体的に話したことを母に説明すると、「そんなこと、お母さんには一言も言わなかったよ、悔しいね」と言って急に泣き出しました。
父が亡くなる前後にも、母が泣く姿を見ていなかったので、まさかその話で泣かれるとは思いもよりませんでした。
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私は困ってしまい、それ以上その話を出せなくなりました。
※健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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