早口ことばで元気な脳を維持人生を楽しみましょう
「脳の働きはコンピューターによく似ています」と、川島先生。
一般的にコンピューターは、計算速度が速く作業机(メモリー)が大きい方が、同時に複数の作業を素早く行え、性能が良いとされます。
「人の脳で計算速度に相当するのは認知速度、いわゆる頭の回転力。作業机の大きさは、一時的な記憶の容量となるワーキングメモリー(作業記憶)に相当し、これらの機能が、脳の前頭前野にあります」
続きを読む
しかし、これらの機能は、20代からどんどん低下することが分かっています。
そこで取り入れたいトレーニングが、早口ことばです。
川島先生は、早口ことばを声に出し暗唱することを推奨しています。
「認知速度を上げるトレーニング、ワーキングメモリーを大きくするトレーニングを組み合わせると有効な脳トレになります。早口ことばは、2つを兼ね備えています」
また、間違えたりつっかえたりすると、つい笑ってしまいますが、この〝笑い〞も重要な要素です。
「脳トレは継続することが大切ですが、楽しくないと続きません。笑いが生まれる点でも、早口ことばはとても優秀な脳トレなのです。また、口を動かすので、口腔機能を維持して誤嚥を防ぐ効果も期待できます」
続きを読む
早口ことばは「認知速度」と「ワーキングメモリー」を 鍛えます
「早口ことばのやり方」にあるように、 〝声に出し〞〝暗唱すること〞がポイントです。「早くしゃべる=認知速度を上げる」「暗唱する=ワーキングメモリーを大きくする」という2つのトレーニングを同時に行うことができ、前頭前野を刺激して活性化します。笑いのエッセンスも加わり、楽しく続けられる最強の脳トレです。
続きを読む
1日1分でもOK!「早口ことば」を言ってみよう!
ポイントは〝速さ〝と〝暗唱〝
脳を鍛える「早口ことば」のやり方
<基本編>「早口ことば」をできるだけ速く読みます
本誌を見ながら、声に出して全力で速く読みましょう。
<応用編>(1)「早口ことば」を暗唱します
早口ことばを1つ選び、本誌を見ながら声に出してできるだけ速く読みます。次に本誌を閉じて、暗唱します。
<応用編>(2) 暗唱する「早口ことば」の数 を増やします
早口ことばを2つ選び、本誌を見ながら声に出してできるだけ速く読みます。次に本誌を閉じて、同じ早口ことばを暗唱します。暗唱する数を、少しずつ増やしていきましょう。
続きを読む
<トレーニングのコツ>
・とにかく〝速く〞読むことが重要。舌を噛む一歩手前くらいの気持ちで速く読みましょう。
・自分ができるギリギリの能力を発揮することが、能力の向上につながります。
・1日1分でもOK。継続して鍛えることが大切です。
・楽しみながらトレーニングしましょう。言い間違えても気にしない。逆に、笑い飛ばしましょう。
まずはウォーミングアップ!
初級編
続きを読む
この記事は紙&WEBマガジン『毎日が発見』2025年8月号に掲載の情報です。
構成・取材・文/岸上佳緒里 イラスト/上路ナオ子
<教えてくれた人>
医学博士 川島隆太(かわしま・りゅうた)先生
東北大学加齢医学研究所教授。脳の各部位の働きを画像化する「脳イメージング研究」の第一人者で、その技術を積極的に産学連携に応用している。一大ブームを巻き起こしたニンテンドーDS「脳を鍛える大人のDSトレーニング」シリーズの監修者としても有名。『脳を鍛える! 人生は65歳からが面白い』(扶桑社)、『スマホが学力を破壊する』(集英社)など著書多数。
記事一覧に戻る