YouTubeで夫婦二人暮らしの穏やかな日常を発信する、深尾双葉さん。その著書『ほんとうの豊かさに出合うための9週間 部屋と心が自然に整う"一生もの"の暮らし』(KADOKAWA)は、単なる片付け術の解説書ではありません。9週間という時間をかけ、住まいと心に溜まった「余分なもの」を少しずつ手放していくための優しいガイドブックです。年齢を重ねるごとに、持ち物も暮らしも「身軽」でありたいもの。本書は、無理に捨てることを強いるのではなく、「自分にとって何が大切か」を問い直すきっかけをくれます。今回はこの本の中から、「ほんとうの豊かさ」を見つめ直すためのヒントをご紹介します。
※本記事は深尾 双葉著の書籍『ほんとうの豊かさに出合うための9週間 部屋と心が自然に整う"一生もの"の暮らし』から一部抜粋・編集しました。
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残し方のコツ 食器編
以前はお店でも取り扱っていたほど大好きな器。お客様用や季節の行事用、撮影で使う用などを意識して、たくさん揃えていました。
「洋食なら洋食器、和食なら和食器を合わせる」、「ご飯茶碗は毎日使うから代わり映えするように3~4種類は持つべき」、「季節に合った絵柄の器を使いたい」など、自分なりのルールがあったので、気がつけば、用途からは大きく離れた押し入れや寝室にも器を運び込むことになっていました。
食器棚はガラス板が割れそうな程にぎっしりと。当時は「重なる姿もオブジェのようで美しい」などと思いながら5枚も10枚も積み重ねていました。
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それが今では、器の量は3分の1ほどに。色数も絞り、白、黒、染付の青の3種類をメインカラーにして、鮮やかな色味の器や柄の主張が強い物は手放しました。
「食卓は無理をして彩らなくても良い」「彩りが欲しければ食材から」と考えることで、器の使い方に対するしがらみからようやく解放された気がします。
器への思いが人一倍強い私がどうやって手放していったのか。そのポイントをお話しします。
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◎必ず使う食器だけを残す
器の取捨選択をする上で意識したのは、「稼働率100%の食器棚」にすること。
台所道具と同様に、用途や使う場面を限定する専用の物ではなく、何通りもの使い方がイメージできる物を残すようにしました。主に残した器は、飯碗、汁椀、深めの取り皿、蕎麦猪口、七寸皿など。この5種類があれば最低限、ほとんどの料理をまかなえます。
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なかでも、柔軟な使い方ができる物としておすすめしたいのが、蕎麦猪口です。お蕎麦をいただく時はもちろん、お茶やお酒を飲むカップにしたり、副菜を盛る小鉢にしたり、デザートを入れてみたりと、多くの場面で活躍しています。朝昼晩と、一番手に取る器です。それから、以前は来客のことを考えて、ティーカップやグラスも4~5客揃えていました。しかし、年間で数えてみても頻繁にお客様が来るわけではなく、皆が同じカップでなくても良いのではないかと思うようになりました。
地震ではガラスは粉々に割れ、陶器が割れるより何倍も後片付けが大変でした。たくさん持っていたグラスをはじめ、飯碗や長皿、カトラリーなども一つの種類に対する個数を減らしました。今は一つの種類につき、多くても二つまでにしています。数が多かった時は、つい手前や上にある物を使いがちでしたが、すべての物が取り出しやすくなった今は、目標だった「稼働率100%」に限りなく近づいています。
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◎器の形状に変化をつければ飽きがこない
器の数を適正量にする際に大事にしたのは、形のバリエーションです。丸や四角といった異なる形を組み合わせることで、食卓に変化が出て奥行きが感じられます。
たとえば、取り皿を使いやすい丸形にしたら、魚や漬物は角皿にしてみる。片口などがあればテーブル上で高さも出ますし、注ぎ口があるので酒器や中国茶を注ぐときの器としても使えます。特徴的な絵柄や色だけで変化を出すよりも、形のバリエーションの方が和洋中の料理に対応でき、食卓の印象が単調にならないと思います。
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また、調理道具をそのまま食卓の器として出すというのも変化を出す一つの方法です。すり鉢は購入する際にテーブルに出しても違和感のないサイズを選びました。ここでも兼用できるということを大切にしています。
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