あなたの言動は、脳の使い方のクセでできています。あえて、いつもと違う選択をして、若やぐ自分に出会いませんか? 今回は脳内科医で医学博士の加藤俊徳(かとう・としのり)先生に、脳の得意・不得意について教えていただきました。
まずはあなたの 脳の得意・不得意″を知ろう!
自分の強いところ・弱いところを知って、そこから脳を強化すると良いですよ。
□ チェックが多かった項目=得意。あなたの強み
□ チェックが少なかった項目=苦手。伸びしろあり
(1)思考系
□ 2つのことを同時にこなせる
□ スーパーでの買い物はすぐに決まる
□ 毎日安眠できている
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(2)感情系
□ テレビを見て、泣いたり笑ったりする
□ 人の話に共感することが多い
□ 食べ物やお酒でストレスを発散することはない
(3)伝達系
□ 人と話すのが好き
□ 失言は少ない方だと思う
□ 手紙やメールはすんなり書ける
(4)理解系
□ 「 最近の若い人は...」と思うことはない
□ 分からないことは、分からないままにしたくない
□ 整理整頓が得意
(5)運動系
□ 外出することが多い
□ 座っている時間は短い方だ
□ 掃除が億劫ではない
(6)聴覚系
□ 会話中、相手も自分も同じくらい話をしている
□ 会話中、相手の話をさえぎったりすることはない
□ 聞き間違いは少ない
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(7)視覚系
□ 人混みで人にぶつからずに歩ける
□ 空、月、星をよく見上げる
□ 落ちているゴミにすぐ気が付く
(8)記憶系
□「 あの~」「え~と」を言うことは少ないと思う
□ 人の名前はすぐに出てくる
□ 冷蔵庫を開けて、開けた理由が分からなくなることはめったにない
Step 3 弱点別に行う 伸びしろが自然に育つ
不得意を克服する最強の行動
大人女性が苦手傾向にある、聴覚系、伝達系、運動系のトレーニング法を重点的に紹介します。
<3カ所きたえられる>聴覚系・伝達系・運動系を強化
コミュニケーションの機会を増やす
会話を通して感情や情報を共有すること、会うために行動することなど、人とのコミュニケーションは脳を幅広く刺激します。積極的に、井戸端会議へ加わりましょう。ただ、年齢を重ねると友達が減る傾向に。そもそもの行動範囲を広げ、新しい人間関係を構築する努力を。おすすめは、幅広い世代と関わりを持てる地域ボランティアに参加することです。高齢者の認知症の一番のリスクは社会的孤立なので、5年後、10年後、いかに孤独にならないかを考えて行動しましょう。
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<4カ所きたえられる>聴覚系・運動系・視覚系・記憶系を強化
過去に訪れた場所へもう一度行ってみる
思い出す行為は自己認知を高め、無意識のうちに人生に対するモチベーションが上がります。実際に思い出の地に足を運べば、脳にさまざまな刺激を与え、過去の自分と比較したり、マンネリ化した人生を見直すことができます。私も、19歳のときに登った高尾山へ行ってきました。同じ道をたどり、途中でお店をのぞいたりする中で、体力面や様々な出来事を見直すことができました。その場に行って深呼吸をすると、木々の香りや風の音に誘われ、より記憶系が刺激されました。
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聴覚系を強化
雨風や鳥のさえずりなど自然の音に耳を澄ませる
自然界は風の音、木々のざわめき、波の音など、さまざまな音で溢れています。それらを受動的に聞き流すのではなく、意識して耳を傾けるようにすると、聴覚系のトレーニングになります。バードウォッチングに出かけるのも良いですね。
聴覚系を強化
助詞強調音読
助詞を強調して、文章を声に出して読んでみましょう。例文で言えば、●が付いているひらがなが助詞に当たります。自分の声を自分で聞くことで、聴覚系が刺激されますよ。文章の理解力も向上。行うタイミングは朝がベストです。1分程度で良いので、『毎日が発見』や新聞などを読みましょう。声に出して読むことは、口腔フレイル※の予防にもつながりますよ。
※フレイルとは、健康な状態から介護が必要な状態へ移行する、中間の段階を指します。
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聴覚系を強化
ラジオを聞く
ラジオは、耳から入る音の情報だけで内容を理解しようとするので、聴覚系が活発に働きます。「聞こえ」の低下は認知症につながる可能性があるため、気付いた場合は早めの対策を。その他、ラジオには孤独感を和らげる効果もあります。
伝達系を強化
料理で気持ちを伝える
帰省する子供や孫のために、友人のためになど、相手のことを考えながらおもてなし料理を作ることは、言葉を使わずとも、伝達系を刺激します。手作りお菓子を感謝の印として、周囲の友人知人にプレゼントするのも良いですね。
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伝達系を強化
団体競技のスポーツに参加する
相手に伝わる言葉を選ぶ、集団の中で円滑に行動するなど、団体競技のスポーツは、コミュニケーション能力を司る伝達系が磨かれます。大人世代には、グラウンドゴルフが人気ですね。初心者でもすぐに楽しむことができるので、おすすめです。
運動系を強化
利き手と逆の手でスマホを操作
スマホを左手で持って右指で操作している人は、その逆(右手で持って左指で操作)をやってみましょう。普段の何気ない動きに変化をつけることで、運動系をきたえることができます。歯磨き、文字を書くなども、利き手と逆の手で行うとトレーニングになりますよ。
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運動系を強化
歌を口ずさみながら料理をする
手と口を同時に動かすことで、より効果的に運動系がきたえられます。ラジオを聞きながら、流れてくる音楽に合わせて、楽しく口ずさむのも"あり"ですね。手と口を同時に動かしたいので、ハミングよりは口ずさむのが◎。
その他の脳の働きのきたえ方
感情系を強化
・植物に話しかける
・楽しかったことベスト10を書き出す
思考系を強化
・身近な人の長所を3つ見つける
・1日の目標を立てる
理解系を強化
・昔読んだ本をもう一度読む
・おしゃれな人の服装をまねる
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視覚系を強化
・散歩中、周囲のあれこれに視線を散らす
・日常的に写真を撮ってみる
記憶系を強化
・1日5分、思い出のものを眺める
・毎日10~20分、歴史や漢字などの暗記タイムを作る
この記事は紙&WEBマガジン『毎日が発見』2026年4月号に掲載の情報です。
構成・取材・文/上薗明子 イラスト/来迎純子 デザイン/中川 純(DEux)
<教えてくれた人>
加藤プラチナクリニック院長
加藤俊徳(かとう・としのり)先生
脳内科医、医学博士。株式会社「脳の学校」代表。昭和医科大学客員教授。助詞強調音読法や脳番地トレーニングを提唱。『「名前が出てこない」「忘れっぽくなった」人のお助けBOOK』(主婦の友社)など著書多数。※「脳番地」は脳の学校の登録商標です
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