職人気質の父、肝が据わっている母、こじらせ思春期の姉、そしてヤンチャだけど誰からも好かれた弟。どこにでもある家族の風景が、ある夜警察からかかってきた1本の電話で一変した――。『16歳で帰らなくなった弟』とその外伝(ともにKADOKAWA)は、肉親を突然失ったある家族の崩壊と再生の物語。弟が事故死した夜に家を出る彼に声をかけなかったことを後悔し続ける姉。そしてぽっかり穴が開いたような虚無感に襲われる両親...。肉親を亡くすという喪失体験にリアルに向かい合ったエピソードをご紹介します。
※本記事はきむら かずよ 著の書籍『16歳で帰らなくなった弟』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。
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――きむらさんがエンディングノートを書いているというエピソードがありました。差し支えなければ、どのようなことを書いているか教えていただけますか?
「何より大切にしているのは、子どもへのメッセージです。どんな気持ちで育ててきたか、どれだけ大切に思っているかなどを、一人一人に向けて書いています。
自分自身に関しては、リアルな話ですが、もし突然意識不明になったらどうしてほしいのかを記しています。
例えば、口から食べ物が食べられなくなったら延命措置はせず、自然に逝かせてほしいこと。胃ろうは望まない...といったことです。家族葬で連絡してほしい人についても書いていますね」
――改めて、弟さんはきむらさんにとってどんな存在でしたか?
「負けず嫌いなところは似ていたかもしれませんが、性格は私が陰なら弟が陽。すべてにおいて真逆でした。自分にないものを全部持っているような弟を、心のどこかでいつも羨ましく思っていました」
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きむらさんの辛い経験から考えさせられるのは、今ある日常は実は「当たり前」ではない、ということ。平穏無事に暮らせる日々のありがたさに改めて気付かされます。時には立ち止まり、毎日をより丁寧に生きることを意識したいものです。
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