「がんは結局、運の要素が大きい」と話すのは、病理学者として長年がんと向き合ってきた仲野徹先生。食生活に気を配り、健康的な暮らしを心がけていても、病気はある日突然やってくることがあります。だからこそ「がんは運」という言葉は、決して突き放すものではなく、「自分のせい」「生活習慣が悪かったのかも」と自分や家族を責めてしまう気持ちを、そっとほどいてくれる優しさを持っています。本記事では、仲野先生の著書『がんは運である? 自分事として向き合うための手控え帖』(KADOKAWA)より、がんという病気と自分らしく向き合い、納得して人生の選択をしていくためのヒントを抜粋してお届けします。
※本記事は仲野 徹 (著)による書籍『がんは運である? 自分事として向き合うための手控え帖』から一部抜粋・編集しました。
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がんにならない方法はあるか
答えはNO。以上。
では、あまりににべもないので、もう少し話をしよう。先に書いたように、生きていくには細胞分裂が必要だし、ある程度の外的要因は避けようがない。だから、生きている限りどうしても変異が蓄積していく。これは防ぎようがない。野菜だけを食べていたらがんにならないとかいう怪しげな内容の本もあるが、完璧なるウソだ。野菜であろうが肉であろうが、胃や腸で消化されて小さな分子に分解されてから吸収される。その段階において、どの分子がどんな食べ物に由来するかなどわかりはしない。それに、生きていくには細胞分裂が絶対に必要である。なので、何を食べていようが、確実に変異は蓄積していかざるをえない。
がんにならないサプリはあるか、というと、これも現時点ではNOだ。動物実験では有効と認められたものはあるが、ヒトで実証されたものはない。なかには、動物実験では効果があったが、ヒトではむしろ逆効果だったものまである。もし確実な抗がんサプリがあれば、すでにみんなが服用しているだろう。わたしだって飲んでみたい。
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がっかりさせてしまったかもしれないが、本当だから仕方がない。しかし、できるだけがんにならない方法はある。国立がん研究センターから「科学的根拠に基づくがん予防ガイドライン」として「日本人のためのがん予防法(5+1)」が定められている。「5」は、タバコ、お酒、食生活、身体活動、体重といった五つの生活習慣、そして「1」は感染の予防と治療である。
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