■親はいくつになっても子どもが心配。でも、自分の思う道を歩んでもらいたい
そこには「うまくいかなくなってきた。これ以上一緒に暮らせない。家に帰りたい」といった意味の文字が並んでいました。
すぐに電話をすると、出るなり娘は「帰りたい」と泣き出しました。
「どうしたの、仲直りできないの」と聞いても「ごめんなさい、家に帰りたい」と泣きじゃくるだけ。
「迎えに行こうか?」と聞くと、「1人で大丈夫、帰ってもいい?」と泣く娘に「当たり前じゃない、ここはあなたの家なんだから。すぐ帰ってらっしゃい」と即答しました。
相手の男性と何があったか、詳しいことは聞きませんでした。
原因は一つや二つではないのだろうし、どちらがいいとか悪いとかいう問題でもないでしょう。
ただ、勝手に飛び出すのではなく、納得してもらって円満に同棲を解消するようにと伝え、娘は家に戻りました。
そのことに関して夫はもちろん兄弟たちも何も言いませんでした。
皆、娘がいなかった1年などなかったように、昨日の続きのように、娘のいる生活に戻っていきました。
そして娘は新しい仕事を見つけ、新しい恋を始め、育み、ひとまわり大人になって結婚していきました。
あの頃のことを思い出すと甘酸っぱい気持ちになります。
「帰りたい」と泣いた娘は、幼い頃の泣き声そのままでした。
これからもいろいろなことがあるでしょう。いつも心配しています。
でも、いくら心配させられてもいいから、自分の思うままに好きに生きてくれるのが一番だな、と思うのです。
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